台湾の年賀状ってどんなもの?いつ出す?

ペンを持つ手

皆さんは年賀状を書きますか?

日本郵政グループの発表によりますと、2018年の年賀郵便物元旦配達物数はなんと約15億4千3百万とのこと。15億を越えたと聞いて驚いた私ですが、それでも去年の16億4千4百万に比べると1億少なくなっているというからさらに驚きです。

(日本郵政:日本郵便「2018(平成30)年 年賀郵便物元旦配達物数」

日本では一人当たり約12通の年賀状を出す計算となるそうですが、同じアジアである台湾には年賀状を出す習慣はあるのでしょうか。そもそも年賀状というものはあるのでしょうか。

今回は台湾の年賀状事情についてご紹介したいと思います。また記事の最後にはおまけとして、日本から台湾に手紙を出すときの注意などをまとめていますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

目次

台湾に年賀状はあるの?

電子メールやSNSで送る「電子賀年卡」が主流

さて、台湾にも実は年賀状というものが存在します。中国語では「賀年卡」または「新年卡」と呼ばれ、「卡」がカードという意味を表しています。年賀状は存在はするのですが、日本の様に紙製のカードやハガキを郵送することはごく稀で、ほとんどの場合は電子賀年卡として電子メールやSNSを通して送るのが一般的です。

ですが、最近では「日本の年賀状がかわいい」とちょっとした話題になっていて、日本に旅行に行く人や住んでいる人に日本の年賀状をお願いするという現象も起きているようです。数年前に台湾で爆発的に流行った「ブラックサンダー」を思い出します(笑)。

ラインやフェイスブックでは1月1日に送る人が多いですが、早い人は12月の末ごろから送る人もいます。また、春節(2019年は2月5日)ごろに送る人もいます。

文房具屋で見かける新年卡

電子賀年卡が一般的になったとはいえ、毎年12月になると文房具店などにはたくさんの種類の新年卡が並びます。店頭で販売されているのはグリーティングカード形式のものがほとんどで、ハガキタイプのものは郵便局で販売されています。

12月に売られる西洋風のカードはクリスマスと新年の挨拶が一緒になったスタイルが多いですが、旧正月前に売られる台湾風のカードには新年の挨拶のみが書かれています。そして、ご察しの通り、大抵は赤いカードになります。では、台湾で売られているグリーティングカード形式の新年卡をご紹介したいと思います。

色々なデザインの新年卡

台湾の年賀状(グリーティングカード)によく見られる字は

  1. 「謹賀新年」「賀年」「新年快楽」などの賀詞
  2. 「大吉大利」「年年有餘」「恭喜發財」などの縁起の良い正月四字熟語
  3. 「春」「福」「財」などの縁起の良い文字

などです。

台湾の年賀状

1.賀詞

「謹賀新年」「賀年」など、日本でもよく使われる賀詞の他に「新年快樂」というものがありますが、これは「新年あけましておめでとうございます」という意味の中国語です。中国語の「新年快樂」は年始に限らず年末でも使用されます。日本語の「よいお年を」に当たるあいさつはないので、年末でも年始でも中国語では「新年快樂」で大丈夫です。

2.縁起の良い正月四字熟語

賀詞の他にも色々と縁起の良い四字熟語があります。

例えば「大吉大利」は漢字からも推測できるように「大きな吉(大吉)」と「大きな利益」を願ったという縁起の良い言葉。柑橘を表す中国語と「吉」という漢字の音が似ていることから、「大吉大利」の句ともに柑橘の絵が書かれることが多いです。

「年年有餘」は、これからもずっと余裕のある生活ができるようにとの願いを込めた句で、これも「餘」と「魚」の発音が同じことから、この句には魚のイラストが使われることが多いです。ダンナさんの実家でも、大晦日には必ず魚料理が出てきます。

その他にも、何事もうまく行くようにという願いを込めた「萬事如意」や、金運が良くなる「恭喜發材」なども見られます。干支にちなんで戌年には「好運汪汪来」(四字熟語ではありませんが)という言葉もあります。

3.縁起の良い文字

よく見かけるのが「春」「福」

年賀状だけでなく、窓や米びつに貼る春聯と呼ばれる正方形の紙にも使われる文字です。他の記事でもご紹介したことがあるのですが、「春」と「福」の春聯は逆さまに貼ることにより「福の到来」という意味合いになります。ひっくり返るという意味の中国語と、到来という意味の中国語の音が同じためです。年賀状ではこれらの漢字がひっくり返ったデザインになっていることもあります。上下を間違えないようにしてくださいね。

春と福以外によく見かけるのが下の写真のこれ、とても複雑な漢字です。これは「招財進寶」という財運を招く縁起の良い四字熟語を1つの漢字で表した文字で、正月に使用される最強に縁起の良い合字です。年賀状や春聯、ポスターなど、色々なところで目にする字です。

パソコンでは打てない文字なので小筆で書いてみました。あまりお見せできるような字ではないのですが、4つの漢字が組み合わさっているのが見えますでしょうか。

招財進寶

誰に新年卡を送る?

さて、台湾ではお友達同士でも企業同士でも電子新年卡を送る方が一般的で、このようなグリーティングカードを送ることは少ないです。では、こういったグリーティングカードは誰が誰に送るのでしょうか。

台湾人の知り合いや親戚、学生さんなどに質問した結果、グリーティングカードを買うのは

  • 学生からお世話になっている先生へ送る(手渡し)
  • 台湾に住んでいる外国人が故郷の友達や家族へ送る
  • 外国に住んでいるお友達へ送る

といった場合が多いようです。日本のようにクラスメイトや親戚に送ることはほとんどないということでした。

いつ送る?

送るタイミングですが、普通は旧正月に合わせて送られるようです。日本では1月1日に届くように出しますが、台湾では必ずしも旧暦の1月1日ぴったりに届くように出す必要はなく、多少ずれても問題ありません。旧正月の少し前に届くように送ればいいと思います。

2019年は2月5日が春節ですので、1月末から2月4日までに届くようにすればいいのではないでしょうか。もちろん2月5日以降でも全く問題ないと思います。

先ほども申しましたが、電子メールの場合は1月1日に送る人、春節に送る人、どちらも送る人など様々です。

何をかく?

年賀状の内容ですが、「新年快樂」の下に「身體健康」(健康でいられますように)や「事事順利」(何事もうまく行きますように)などを続ければいいでしょう。

もちろん賀詞でご紹介した「大吉大利」「年年有餘」なども縁起のいい言葉なので、相手にあったものを選んで書いてください。先生に送るときは、日頃お世話になっている感謝の言葉を添えてもいいでしょう。

おまけ:日本から台湾にハガキや手紙を送る場合。

ここまでは台湾の年賀状事情についてご紹介しましたが、おまけとして、日本から台湾に住む方にハガキや手紙を出す場合に知っておいた方がいいことを少し書いておこうと思います。

住所の書き方

使用するハガキや封筒は普段日本国内で使用しているもので大丈夫です。

宛先のところにそのまま「台湾高雄市・・・」のように書き始めます。台湾は日本と違って、県の中に市があるわけではありません。日本でいう「都」や「県」がそれぞれ独立しているように、台湾では「市」も「縣(県)」も独立したものです。ですから、「台湾」のすぐ下に台北市や高雄市がそのまま続いてもおかしくありません。余談ですが、台南縣と台南市もそれぞれが独立しているので台南縣の中に台南市があるわけではありません。

宛名の書き方

日本では宛名に「様」をつけますが、台湾では「小姐」や「先生」を使います。「小姐」は女性に、「先生」は男性に使います。「先生」には教師の意味はありません。先生に送るときは教師を表す「老師」を宛名につけてください。

「小姐」や「先生」の後には「收」という字を忘れずに書いてください。「收」は受取人を表す字です。「収」ではありませんので注意してください。

ここまで話をしておいて今更なのですが、「様」でもきちんと届きます。台湾の家には表札がありませんので、郵便物は住所を頼りに届けられます。ですから、住所は絶対間違えないように確実に書くようにしてください!

手紙を出すとき

住所と宛名が書けたら郵便局へ・・・持っていかなくても送ることができます。ハガキや封筒の重さで台湾までの郵便料を調べ、切手を自分で貼って国際郵便ポストへ投函すれば大丈夫です。国内郵送切手付きのハガキを使用する場合は、不足分だけ切手を買い足して貼ってください。多めに貼っても問題ありませんが、少ないと返送されます。

決められた郵便料の切手さえ貼っていれば国際郵便ポストに投函するだけで大丈夫ですが、物を送りたい場合はきちんと郵便局に持っていってください。物を送る場合は、重さや大きさだけでなく内容物を郵便局で確認する必要があるからです。中身を見せる必要はありませんが、口頭で確認し記載する必要があります。

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