子供が生まれたらすぐに戸籍対策を。台湾の「総量官制」國小に入学させたい場合。

ランドセルの子供

数日前、娘の幼稚園時代のライングループに、あるママさんからこんなメッセージが入っていました。

「娘をA区(仮名)の○○小学校に転校させたいんだけど、その学区に持ち家がある知り合いがいたら紹介して!」というもの。

4月に入ってからというもの、私の周りでもこのテーマの会話が多くなってきましたので、今日は台湾の「学区事情」についてお話ししたいと思います。

台湾の小学校

台湾の小学校は中国語で「國民小學」と言い、略して「國小」と呼ばれています。国立大学付属の國立國小(附小)、縣立や市立の公立國小、そして私立國小があります。

公立小学校は学区制ですので、住んでいるところの学区に合わせた小学校に入るのが普通なのですが、台湾ではわざわざ自宅から離れた学校に通う子も多数います。そして私の娘も歩いて数分のところにある学校ではなく、車で20分ほどかかる公立國小に通っています。

教育戦争は小学校から始まる

数ヶ月前、「学区を考えて引っ越し先を選ぶ」というようなテーマの記事を日本のネットニュースで読みました。台湾でも考えは同じで、多くの親は自分の子供をなるべく「いい小学校」に入れようと考えています。台湾の親が考える一般的な「いい小学校」とは、やはり裕福な方が集まる高級マンション街の近くや、いい高校への合格者を多数出している中学に通うことになる学区の小学校だろうと思います。

では、その「いい小学校」に通うためには、その学区に引っ越さなければいけないのでしょうか。

戸籍を移す

いいえ。台湾ではわざわざ住み慣れたところを離れる必要はありません。

台湾での学区は戸籍によって決まります。だから戸籍を行きたい学校の学区に移してしまえばいいのです。

「戸籍を移すなんて!」と驚かれた方もいらっしゃると思います。でも台湾では戸籍を移すことは特別なことではなく、現に私たちもお友達の子供の戸籍をダンナの戸籍に入れた経験があります。隣の学区のお友達だったのですが、私たちの住む学区の小学校に転校したいという理由で、小学校卒業までの数年間うちの戸籍に入っていました。ちなみに血縁関係はありません。

うちの娘が生まれた時も、私たち親子3人の戸籍をダンナのお兄さんのところに移しました。理由はやはりいい小学校に入れたいからです。

定員制限のある小学校

このように、行かせたい学校に通うためには戸籍をその学区に移せばいいのですが、そんなことをしていると人気のある学校ばかりに人が集まってしまいそうですよね。

実はそうなってしまわないように、台湾には「総量官制」というものが存在します。総量官制というのは、新入生として受け入れる数に制限を設けて、それ以上は入学できないことになっているシステムです。いわゆる入学者定員を設けている学校で、それらの学校を「総量官制学校」と言います。

高雄市の総量官制学校

私が住んでいる高雄市では、高雄市政府教育局により、特に人気のある13の公立小学校が総量官制学校として指定されています。

(参考資料: 高雄市政府教育局 高雄市107學年度國小総量官制學校一覧表 )

これらの小学校に入学するためには、ただ戸籍がその学区にあるだけではダメなのです。

これらの総量官制学校には、入学許可の優先順位というものが存在します。総量官制学校には下記の優先順位があるのですが、簡単にまとめるとこんな感じです。

①戸籍が学区に連続6年以上ある

②直属親族が学区に持ち家がある

③学区内の公務員宿舎に住んでいる

④学区内で賃貸契約をしている

台湾の小学校は8月末の入学ですが、その前に入学許可がおりた生徒の一覧が各学校のホームページで発表されます。また許可が下りなかった生徒の名前も発表されます。許可が下りなかった生徒は、近辺の小学校に入学届けを出すことになります。総量官制学校以外の小学校は入学者の定員を設けていませんので、申請すれば入学することができます。

生まれたらすぐに戸籍を!

総量官制学校への入学許可の優先順位1位の「戸籍が学区に6年以上ある」というところに注目していただきたいのですが、小学校入学の年齢は6、7歳です。もともと入れたい小学校の学区に住んでいる場合は問題ないのですが、そうではない場合は子供が生まれたらできるだけ早く戸籍を学区に移す必要があります。

気をつけたいのが、1つの戸籍の中から複数の入学申請を出してはいけないということ。双子ならともかく、そうでない場合は審議にかけられることがあります。例えば、Aさんの戸籍に同級生のBさんの戸籍を移して、AさんとBさんが同じ年に入学を申請することはできないことになっています。

また、よく問題にもなっていることですが、地方から高雄市に引っ越してきた方が学校の近くに家を購入して、いざ子供を入学させようと思ったら実は総量官制学校で許可が下りなかったというような話もよく聞きます。目の前にあるのに入学できないということもありますので、早めのリサーチが必要です。

まとめ

日本も台湾も、子供により良い教育を受けさせたいと考えるのは同じだと思います。日本でも私立の小学校に入れたいと考える親がいるように、台湾でもいい学校に入れたいと思っている親が多いのです。ただそれが、日本では「お受験」、台湾では「戸籍」という違いだけなんだろうと思います。

もし台湾でお子さんを総量官制学校に入れたいとお考えの方は、早めに戸籍対策をしておいた方がいいと思います。補足ですが、台湾の総量官制学校はあくまで公立の学校ですので、学費等は他の公立小学校と同じです。

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