「不合格」がない台湾の高校受験システム

2024年7月。ついに娘の高校進学先が決定しました!

台湾の公立高校(職業高校も含む)は日本の高校受験システムと大きく異なります。詳しくは別記事を読んでいただきたいのですが、簡単に説明すると、日本では志望校に願書を提出して受験高で試験を受け、合否はそれぞれの高校が判断するのに対し、台湾ではまず高校入学統一試験(台湾ではそれを「會考」と呼びます)を受けてから入学を希望する高校を順に30校選び、教育局が管理する機関が成績の高い人から希望を聞いて順に振り分けていく、というスタイルです。

前回の記事では受験までの流れを紹介しましたが、今回の記事では受験が終わってから高校が決まるまでの流れを紹介したいと思います。

目次

高校受験から進学先が決定するまで(2024年)

前回でもお話ししましたが、私たちは高雄市に住んでいますので、他の都市とは多少異なった部分があるかもしれないことを先に申し上げておきます。なお、受験日や試験内容、結果発表日などは全国統一です。

試験は5月18日と19日に実施されました。

6月4日 解答とランク発表

5教科の問題と解答が公表されます。問題用紙は試験会場にて全て回収されますので、あくまで自分の記憶との照らし合わせになりますが、大体の自分のランク(等級と言います)を知ることができます。

そして正解数に対するランクの発表があります。ランクはA(A++、A+、A)、B(B++、B+、B)、Cの3ランクあります。A 、B、C以外に+の数も重要になってくるのですが、詳しくは記事上部の関連記事をご覧ください。

2024年(民国113年)の結果は以下のとおり

國文,社會,自然は全てマークシート方式なので、正解数でランクを知ることができます。毎年だいたい同じですが、ミスを2問までに抑えることができれば最高ランクのA++を得ることができます。教科や年によっては1問、あるいは3問になることもありますが、非常に稀です。

過去の試験や模擬試験では、ミスを6問以内に抑えることがAをとれる目安になっているのですが、今年はなんと国語のAがミス5問以内とハードルが上がってしまいました。6問ミスするとB++に落ちてしまうので、今年は5A(5教科ともAだった人)がいつもよりも少なかったと報道されていました。

6月7日 成績発表(ランクのみ)

4日に問題と解答、ランクの公表がありましたが、7日の朝8時にネットで自分の成績を調べることができます。

正式な成績表は中学校で受け取ります。

学校に行く前にすでにネットで調べていた娘は、成績を知るなり大泣き。得意な3教科はA確実として、苦手な社会か理科のどちらかでもギリギリAあれば4Aあるかな・・・と思っていたのですが、2教科ともBどまり。これで第一希望である4Aの鳳山への夢は敗れました・・・。まあ、過去問も模擬も4Aだったり3Aだったりしたので、本番で3Aしかなかったことは想定内ではあったのですが、順位を予想よりも1000番ほど落とした結果になってしまいました。

本人も大泣きした後は現実を受け入れていました。強いて言えば、国語と数学はA+取れていると思っていたんですが、ただのAだったのが少し意外でした。英語は満点でしたよ!

6月21日 市内順位発表

21日に教育局の専用サイトで自分の市内順位を確認することができます。

高雄市の受験者数は2万あまり。個人の順位は100人単位で知らされます。男女の区別はありません。

ちなみに下の成績は娘のクラスメイトのもの。市内順位は1001から1100ということになります。クラスでも常にトップ5をキープしている男の子なんですが、1000人のうち約半分は女の子でしょうから、高雄高中(トップの男子校)は確実です!

受験生たちは自分の個人順位と高校の累計を参考にして、自分の希望する高校を第1希望から第30希望まで出します。もちろん順位が1ー100番の人は、希望をどこに出しても確実に入れますから30も高校を選ぶ必要はありません。

また、どの高校を選ぶかは個人の自由ですので、5教科満点(5A++)で成績が1位だったとしても高雄ナンバー1の高雄高中や高雄女中を選ぶ必要はなく、第1希望を六亀高中(5C)で提出すれば六亀に決まります。

6月21日から27日 志望校選択

21日から27日の正午までに専用サイトから希望する進学先を選択します。

娘が選択したのは
1,鳳山高中(4A)
2,鳳新高中(3A)
3,瑞祥高中(3A)
4,中正高中(2A)
5,前鎮高中(1A)

の5つ。

担任に、最低5つは選択するように言われていたので、この5つを選択しました。

第一希望に「手の届かない夢の高校」を選択するのが習わし?流行り?のようで、無理と分かっていながら鳳山を選択しました(笑)。第10希望まではペナルティーなしで選ぶことができます。(高雄市の場合、11希望以降は実際の点数よりも1点低い点数での申請となります。)

1は夢の高校、そして2が本命、3から5はランク順に家から近い高校を選んでおきました。ちなみに台湾は日本のような細かい学区はなく、「高雄地区」「台南地区」など広い範囲で区分けされます。高雄市で言うと、2万人以上の学生が同じ「高雄地区」になります。

そのため、成績上位の3校(雄中雄女、師範大付属、鳳山)以外は、北高雄か南高雄に進学先が割れる傾向にあります。高雄の人は通学に30分以上かかることを嫌がるんですよね・・・。かくいう娘も鳳山の次は北高雄にある新莊高中を希望から外し、南高雄の鳳新を第2希望にしました。

ちなみに我が家は、緑の輪っか(ライトレール)の最南端よりもさらに南に行ったところにあります。

7月9日 進学先発表

いよいよ高校が決まる日です。

朝の9時に専用サイトで自分の進学先を確認します。高校ごとに合格者を発表する日本のシステムとは違い、台湾では「あなたの進学先:〇〇高校」のような形で発表されます。

気になる結果は・・・

やはり鳳新高中でした!個人順位と累計からして鳳新だろうなとは思っていましたが、実際に高校名を確認すると、これで長かった受験が終わったのだとホッとしました。

入学通知書をダウンロードしてスクショ、11日に入学手続き、説明会を済ませたら高校入学準備完了です。ちなみに鳳新はかなり自由な学校で、入学手続きはオンラインで3分で完了しました。学校の案内も冊子をダウンロードして印刷することができ、「説明会は自由参加です。冊子を読んで特に問題がない場合は出席する必要はありません」とのことでした(笑)。

今回の記事は以上です。これからも高校について書いていこうと思いますので、興味のある方は引き続きよろしくお願いします。