旗津住民が愛するローカルな食べ物「赤肉焿」とは。

「不一様赤肉焿」の店の外観

旗津といえば海鮮料理。旗津で一番賑やかなフェリー乗り場付近には、「海産街」という名前の通り海鮮料理店がたくさん並んでいます。旗津に来たからには海鮮料理をオススメしたいのは山々なのですが、今日は海鮮料理ではなく旗津住民がこよなく愛するローカルフード「不一様赤肉焿」をご紹介したいと思います。普通のレストランでは食べられない庶民的な食べ物です。

目次

「不一様赤肉焿」

フェリー乗り場から延びる「海産街」という大通りをまっすぐ行くと、左側に「不一様赤肉焿」というお店があります。今日ご紹介するのはこのお店。いつも人がいっぱいで、お店の前にもオートバイが並んでいます。台湾のグルメ番組でも紹介されたことから、店内だけでなく店外でも席が空くのを待っている観光客であふれています。

さて、お店の名前の「不一様赤肉焿」がそのまま料理の名前になっているのですが、「不一様」というのは中国語で「同じではない」という意味です。そして「赤肉」は豚肉の赤身の意味、「焿」は台湾語で「とろみのある餡掛け」を意味します。つまりは、「他店とは違う豚肉の赤身の餡掛け料理」を売っているお店なのです。

「赤肉焿」は台湾語で「チャーバーゲー」(台湾語をカタカナで表記するのは難しいですが)と発音します。旗津住民にとても人気のある食べ物で、旗津で生まれ育ったダンナも小さい時は週1ペースで赤肉焿を食べて来たそうです。(現在は月3くらい)

実はダンナが30年近く通うお店は海産街にあるお店ではなく、旗津の中心部にある路地にあるお店。元々はその路地にあるお店の方が1号店だったのですが、口コミで人気が出てきて観光客も増えて来たことから、10年ほど前にフェリー乗り場近くの海産街に2号店を出しました。今では、より観光客を呼び込める海産街のお店を「本店」とし、地元住民が集まる路地のお店は「創始店」としています。

「赤肉焿」はこんな食べ物。

赤肉焿
不一様赤肉焿 創始店

餡は甘酸っぱい感じで、中に入っているのはキャベツのみ。麺やビーフン、白ご飯に餡をかけてから赤肉のフライと香菜をのせます。香菜が苦手な方は「不要香菜」(ブーヤオ シャンツァイ)と言って香菜なしにしてもらうこともできます。また、テーブルに豆板醤や酢、胡椒などが置いていますので、お好みで追加します。

ダンナに紹介されて初めて赤肉焿を食べたのが約18年前・・・。はっきり言って、初めて赤肉焿を食べた時の感想は「普通」。どうしてこのお店にはこんなに人が集まるのか、どうしてダンナは取り憑かれたように毎週食べるのか不思議でした。でも2回目3回目と食べるうちに、他の店では食べられない赤肉焿に私もハマってしまいました。きっと餡の甘さと酸っぱさ加減がちょうどいいんだと思います。また餡はそんなに濃くはないのでスープのように飲み干せます。

台湾の方が好きそうな庶民的な食べ物を味わってみたい方にオススメです。

注文の仕方。

ローカルなお店は、どんなメニューがあるのか、またどうやって注文したらいいのかを考えると腰が引けてしまい店内に入るのを躊躇してしまいがちですが、ここのお店のメインメニュー自体は単純ですので是非挑戦してみて欲しいと思います。

まずはとにかく席を確保してください。こういったローカルなお店では相席が普通です。人数分の席を確保したら入り口に並びましょう。

メニューについてですが、赤肉焿(餡と赤肉のフライ)は共通です。これに麺やご飯をプラスしての販売なので、大まかにいえば、注文する時は麺なのかご飯なのか、大なのか小なのかを伝えればいいだけです。メインメニューはこんな感じ。

    • 清焿・・・餡と赤肉のみ。麺などはなし。
    • 麺焿・・・餡と赤肉プラス麺。
    • 米粉焿・・・餡と赤肉プラスビーフン。
    • 麺・米粉・・・餡と赤肉プラス麺とビーフンのミックス。
    • 飯焿・・・餡と赤肉プラスご飯。

どれも大碗は55元、小碗は45元です。(2018年3月現在)

大鍋に入った赤肉焿の餡
「不一様赤肉焿」赤肉焿の餡

本店にはちょっとしたサイドメニューもありますが、メインメニューは創始店でもほぼ同じです。創始店の方には飯焿は置いていないのですが、ご飯に餡をかけて欲しい人はご飯さえ持参すればやってくれます。こういうところは台湾っぽいですね。

私がいつも注文するのはビーフンの小碗で香菜なし。ダンナは麺とビーフンのミックスで豆板醤入りです。

うちではいつもお持ち帰り。

さて、私が赤肉焿を買うのは路地にある創始店の方です。店内でいただくことはなく、いつもお持ち帰りです。海産街は観光客でいっぱいだし、創始店の方も昼時には近くの造船工場の社員でいっぱいになるので、旗津住民はほとんどがお持ち帰りだと思います。

持ち帰ることを中国語で「外帯」(ワイダイ)と言いますが、熱い麺類でも外帯が可能です。麺がのびてしまわないようにスープと別に入れてくれますので心配いりません。多くのお店の外帯は、容器ではなくビニール袋にそのまま麺やスープを入れるのですが、このお店も例外ではありません。

テイクアウトのスープ

ここで気になったことが。何となくなので確証はありませんが、お店でいただくよりも外帯にしてもらった方が量が多いような気がします。ちなみにこれらは小碗です。

下の写真は、ダンナが外帯して来た赤肉焿を自分の碗に移し替えたもの。注文したのは麺とビーフンのミックス「麺・米粉」の小碗です。記事の上の方で紹介した店内の碗よりも大きくないですか?笑 お肉も心なしか多めのような・・・。このボリュームで45元は安いと思います。

テイクアウト赤肉焿

お店情報

最後に今日ご紹介したお店(海産街の本店)の地図です。フェリー乗り場からまっすぐ行けばすぐに見つかります。水曜日が定休日です。