新型コロナウイルスの影響で、日本や韓国をはじめとする国々ではマスク不足に悩まされています。
台湾では周知のとおり、政府がマスク生産ラインを管理し、健康保険証のICチップを利用した実名制での購入により、国民すべてにマスクが公平にいきわたるようになっています。
3月5日現在では、大人は7日間に3枚、子供は5枚購入する事ができます。
台湾の天才デジタル大臣についての記事はこちら。知られざるオードリー・タン氏の天才ならではの苦悩の幼少期のエピソードも紹介しています。
目次
実名制でマスク購入。保険証があれば外国籍でも購入可。
2月6日からマスク購入が実名制になると聞き、ちょっと心配になったのが、「果たして外国籍でも大丈夫なのか」という問題でした。
私は台湾に住んで20年になりますが、国籍は日本のままです。
「永久居留」の資格があるため、ビザや居留証の更新などは必要ありませんが、国籍は日本のままなので、台湾での選挙権もありませんし、色々なところで「外国籍」であるがための制限を受けることもあります。
台湾政府がマスクの海外輸出を禁止し、「国民ファースト」の政策を打ち出したときに、少しだけ「国民」という言葉に不安を感じました。
もしかしたら、台湾在住の外国人はマスク供給対象外になるんじゃないかと。
結果としては、そんな心配は杞憂にすぎなかったわけですが、台湾政府のいう「国民ファースト」に外国人(台湾の健康保険に加入している人)もちゃんと含めてくれていたことに心から嬉しく思いました。
台湾の保険証
台湾の保険証はICチップが組み込まれたカートタイプのものです。
カードに表示されているのは
- 名前
- 生年月日
- ID番号
- 誕生日
- 顔写真(任意)
顔写真がある場合は、身分を証明するものとしても使用できます。
ICチップにより全てが紐付けされているので、個人情報がダダ漏れじゃないかという意見が日本では出てきそうですね。
確かにそうかもしれません。
ですが、私は20年台湾に住んでいて、その「個人情報のダダ漏れ」で困った思いをしたことはありません。
いよいよマスク購入
さて、健康保険証があれば外国籍であっても台湾人と同じように薬局でマスクを購入できることが判明したわけですが、実名制の販売が開始された直後は、どこの薬局も長蛇の列ができ、とても簡単に購入できる状態ではありませんでした。
これはモモの散歩中に見かけた行列。(2月7日撮影。この日は保険証番号が奇数の人のみ購入可能)
当時は春節休みの直後ということで、マスクの生産ラインが追いつかず、実名制にしてもなおマスクを購入できない人が多くいました。というよりもむしろ、私の周りにはマスクを購入できたという人がいませんでした。
2月末現在では、1日に1000万枚の生産が可能となり、また国内の薬局のマスクの在庫状況を確認できる無料アプリが配布されたことよって、全然並ぶことなくマスクを購入することができるようになっています。
口罩=マスク
( )の数字は在庫数 10分おきに更新
ちなみに政府が供給するマスクは、全て台湾製のクオリティ高い医療用マスク。
大人は1週間に2枚まで、子供は1週間に4枚購入できます。1枚5元(20円程度)。
補足:3月5日から、大人は7日間に3枚、子供は5枚こ運輸できるようになりました。
1人につき2人分まで購入できます。
3月中旬からは、1日の生産量が1300万枚になる見込みだそうです。
上の写真は実名制が始まった直後のもの。
今は紙の袋に統一されています。
台湾政府の素晴らしい対応
今回の新型コロナウイルス感染拡大で思ったことは、台湾に住んでいて本当によかったということです。
感染拡大を防ぐために、台湾政府はできる限りの対策を行っていると思います。
それでも感染を完全に防ぐことはできないでしょうが、感染拡大をできるだけ抑え、台湾に住んでいる国民を必死に守ろうとしてくれているので、私たちは安心して生活を送る事ができています。
数週間前に台湾でもティッシュの品薄に関するデマが流れ、それを信じた一部の人による買い占めなどもありましたが、政府がデマを流した人を処罰する方針を固めたおかげか、今はデマに踊らされている人はほとんどいません。
マスクに関しても、薬局で政府供給の品質高いマスクを安価で購入できるため、店頭の市販マスクが買い占められることも、ネットでありえない価格のマスクを購入する必要もなくなりました。
こちらのスーパーでは、日本製のマスクが普通に売られているので、日本の家族に送ってあげたいほどです。(マスクの海外輸出は個人郵送でも禁じられていますので無理ですが)
日本で台湾と全く同じような感染拡大対策を取ることは無理かもしれませんが、日本に住むみんなが安心して外出できるように、せめてマスクの供給くらいは政府の力でどうにかしてもらいたいですね。
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