海外で働きたい方へ。台湾で日本語教員になるには。

日本語

日本語教員として台湾に来て18年が経ちます。途中、長期入院と出産のために1年ほどブランクがありますが、それでも日本語教員としての経験は17年になります。

この記事は、日本語教員を目指す方、海外(特に台湾)で日本語教員として働きたい方に向けて書きました。台湾で就職した私の経験を元に、台湾の補習班で求められる採用条件や、資格などについてご紹介します。

日本語教員の資格はないけれど、どうしても台湾で仕事がしたい!そんな方にもぜひ読んでいただきたいと思います。

日本語教員になるには

まず、日本語教員になるには資格が必要です。免許ではないので絶対に資格がなければ教えられないというわけではありませんが、どこの学校も資格を持っている人を条件として募集するでしょう。

日本国内の学校の場合

  • 日本語教育に関する専攻(主専攻、副専攻)を終了、卒業
  • 日本語教師養成講座420時間終了
  • 日本語教育能力検定試験合格

のいずれかに当てはまる人で、他に経験の有無を問うところもあります。常勤講師の募集の場合は、経験者だけを募集するところも多いです。

海外の学校の場合

国によります。

私、実はもともとカナダで日本語教員になることを夢見ていました。留学していたバンクーバーで日本語教員として就職できたらステキだと考えていたのですが、当時カナダには日本語学校というものがほとんど存在していなく、日本語を教えるなら大学の日本語学部などしかありませんでした。

大学で教えるとなると修士以上の学歴が必要、しかも修士でもアシスタントにしかなれないということで、カナダでの職探しをあきらめ、募集のあった台湾での就職が決まりました。

台湾で日本語教員になるには

採用条件は学校によって異なります。

台湾で日本語教員として働きたい場合、大体は「補習班」と呼ばれる塾を探すことになると思います。

大手の日語補習班の採用条件は日本国内の学校と同じところが多いですが、小規模の補習班の場合は必ずしも日本国内の学校のように専門的な知識が必要ではない場合もあります。中国語が全くできなくてもいいという補習班も多いです。

ちなみに私が就職した補習班の先生たちは、全員が養成講座修了者あるいは日本語学科卒業者でした。理系の学部を卒業した後に養成学校に通った先生、証券会社に勤めながら養成学校に通っていた先生など、色々なタイプの先生がいましたが、中国語に関しては私も含め、採用段階で話せる人はいませんでした。

まずは台湾の求人がどんな風なのかのぞいて見るといいと思います。「台湾 日本語教員 募集」などのキーワードで検索すると、結構出てきます。契約は1年または2年契約のところが多いと思います。私の勤めていた補習班も1年ごとの契約でした。

補習班の教師としての就労ビザの期間は1年です。2年契約だったとしてもビザは1年しかありませんので、1年ごとに更新しなければいけません。採用が決まったら、日本で健康診断を受け、英語版の診断書やその他の書類を台湾に郵送して、補習班側でビザの手続きを行います。

それでも資格は持っていた方がいい

台湾での日本語教員の募集時に、日本語教員の資格が求められないこともあります。大学を卒業していて熱意があり、その上中国語が少しできれば大丈夫というところもあります。

それでもやっぱり、私は日本語教員としての資格は持っておいた方がいいと思います。

その理由の1つは、日本語教員の資格をとっておけば、今後もっといい条件の補習班で募集があった時や、政府機関や企業で働く機会があった時に断然有利になるからです。

実際、私は大学での養成講座終了の証明を持って台湾の補習班に就職しましたが、その数年後には日本語教育能力試験にも合格しました。

そのことがきっかけで、高雄市政府で局長、副局長を対象とした日本語コースの授業を塾長よりご推薦いただき、受け持たせていただくことができましたし、高雄市出身の大臣級の政治家の個人授業などもさせていただきました。日本語関係の教育雑誌で取材を受け、掲載されたりもしました。

日系企業や政府機関での教授経験はとてもプラスとなり、塾を離れて10年になる今でも、個人や企業から日本語教員としてのお仕事をいただいています。人脈はフリーランスになった時に活かされます。

資格を取っておいたほうがいいと思う2つめの理由は、資格があれば台湾だけでなく他の国でも教えることができるからです。

実際に、台湾で教えていた同僚の一人は1年の契約終了後、中国語圏の別の国の日本語学校に転職しました。養成講座終了証明、台湾での教授経験、台湾で身につけた簡単な中国語などが活かされた再就職でした。

日本語教員養成講座終了か日本語教育能力検定試験合格か

大学で日本語を専攻していない方が日本語教員の資格をとる場合、大きく3つの道があります。

  • 日本語教員養成講座を開設している学校に通う
  • 日本語教員養成講座を通信講座で終了する
  • 日本語教育能力検定試験に合格する

日本語教員養成講座に通う

時間と金銭的に余裕がある方は、日本語教員養成講座を開設している語学学校に通うのが一番簡単だと思います。私は大学で勉強したので、コーズ終了に2年ほどかかりましたが、養成講座では420時間なので半年から1年ほどで資格が取れるのではないでしょうか。

420時間の中には、「日本語文法」「日本語史」「対照言語学」といった、大学で勉強するような教科以外にも、クラスのみんなを外国人学習者に見立てた模擬授業などの実践的なことも行います。実際に外国人のクラスの授業を行うところも多いでしょう。

私が通った大学では、4年次の夏休みの1ヶ月、福岡市の某日本語学校で研修がありました。2週間、色々なレベルのクラスで先生方の授業を見学させていただいた後、さらに2週間かけて研修参加者全員に30分ずつ外国人の初級クラスを受け持たせていただき、学校の先生方から評価、コメントをいただきました。

養成講座なら、日本語学校で開設している場合がほとんどなので、教育実習などの実践的な研修が比較的行いやすく、実際に学校に通っている外国人の学生と触れ合う機会があるかもしれません。また仲間と一緒に勉強できるので挫折しにくいかもしれませんね。

通信講座で420時間の資格を取る

出版社アルクなどの通信講座でも養成講座終了の資格を取ることができます。毎月、または一括で送られてくるテキストにそって自分のペースで学習していき、課題を提出していきます。自分のペースとはいえ、一応コース終了期限が決められている場合もあります。

通信講座のメリットは学校に通う必要がないということ。学校に通わないので、かかる費用は数万円ですみます。学校が遠かったり、大学や会社などで時間が思うように作れない方に向いています。

ただし、学校に通わないので教育実習のようなものはなく、授業案の提出だけになると思います。色々な出版社や養成学校から通信講座が出ていますので、比較してみてください。ネットで受講できるコースもあるようです。その場合、値段は少し高くなると思います。

注意:就職したい学校や国によっては通信制の養成講座の終了を資格として認めていないところもあります。台湾の場合は大丈夫ですが、日本国内や台湾以外の国での就職を考えている方は、受講前によく調べておきましょう。

日本語教育能力検定試験に合格する

日本語教育能力検定試験は毎年10月に行われます。会場は以下の通り。

  • 札幌
  • 仙台
  • 東京(3箇所)
  • 名古屋
  • 大阪
  • 広島
  • 福岡

試験は3部構成で、時間は朝9時から夕方4時40分。受験者の成績トップ約20パーセントが合格となります。つまり合格率は20%前後です。記述やリスニングテストもあり、難易度はかなり高いです。

受験料は10600円。受験料や教材、専門書を合わせても、学校に通ったり通信講座で勉強するよりは安くすみます。コツコツ勉強することが得意な方は、この試験に合格することが資格を取る1番の近道だと思います。

ただし筆記試験だけなので、実践については全く学ぶことができません。教員として就職できたとしても、最初の数ヶ月は授業案を作ることさえかなり時間がかかってしまうと思います。試験に合格することが資格取得の近道かもしれませんが、教員として就任した後に一番苦労するかもしれません。

資格はないけれど台湾で働きたい!

資格はないけれど、とにかく台湾でなんでもいいから仕事が欲しい!大好きな台湾で暮らしたい!

そんな方は、やっぱり日本語教員を目指すのが一番簡単なのではないでしょうか。資格がなくても、大卒で意欲があれば採用してくれるところもあります。(ただし給与は少なめかもしれません)

採用試験を受ける前に、本屋さんで「みんなの日本語」というテキストを購入することをお勧めします。国内でも台湾でも「みんなの日本語」を使う学校、補習班はとても多く、このテキストをじっくり見ておくことで、日本語の初級文法の教え方がある程度わかってきます。先生用の「指導書」を合わせて読んでおくと勉強になります。

採用試験(スカイプなどでの面接)の時には、資格も経験もないけれど、「みんなの日本語」で教え方を勉強している、というようなことをアピールすれば、熱意が伝わり、好印象を与えることができるかもしれません。余裕があれば中国語も少し勉強しておくといいでしょう。

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