バイオリンを始めたいと何年も前から思っていたのに、なかなか行動に移せなかった私ですが、先日とうとうバイオリンを購入いたしました!
私が購入したのは、ドイツのメーカー「カールヘフナー」の型番312(KH312)。
縁あって、台湾のある交響楽団のバイオリニストが若い頃に使っていたというものを直接購入いたしました。ご自身が青年交響楽団メンバー時代に使っていたものだそうで、長年使用していないので、縁のある方に譲りたいということでした。
今回の記事では、その「カールヘフナー」について紹介します。バイオリンを迎える前に色々調べたことを記事にまとめました。型番やランク、お値段について調べている人の参考になれば幸いです。
目次
カールヘフナーとは
カールヘフナーは日本でも名の知れたドイツの老舗楽器メーカーです。
1887年にドイツのシェーンバッハ(現在のチェコのルビー)で誕生した弦楽器の工房で、当時はバイオリン、ビオラ、チェロを制作していました。
1950年代はポール・マッカートニーがヘフナーのギターを使用したこともあり、生産量が飛躍的に伸びましたが、その後は輸入制限の撤廃により生産量にも悪影響ができ、1970年代以降は収益が大幅に低下しました。
そして1990年代には中国製の安価なバイオリンにシェアを奪われる傾向となり経営が悪化、1994年ヘフナーはイギリスの会社に買収されてしまいました。
ついに2003年にはヘフナー楽器製造部門はイギリスの投資会社TMGに売却され、そして2005年にヘフナーは北京に会社を設立。
それ以降、高価な製品は引き続きドイツで1本1本職人によって制作されていますが、廉価な製品は中国の北京の工場で製造されています。
ヘフナーバイオリンの型番とランク
今回、バイオリンを購入するにあたり、前もって自分で調べておいたことを書いておきます。娘がフルサイズのバイオリンを購入した際の情報も交えてお伝えします。
まずはバイオリンの型番、ランクについて。
ヘフナーバイオリンは大きく4つのランクに分けられます。
- School Violin
- Orchestra Violin
- Concert Violin
- Master Violin
School Violin
スクールバイオリンと呼ばれるバイオリンで、台湾では「学生琴」と呼ばれます。初めてバイオリンに触る人むけのバイオリンで、2005年以降の生産地は中国。工場で作られた量産型バイオリンです。
主な型番は
#7、#11、#12など
※型番は2004年まではKH、2005年以降はH。
台湾の代理店では11番(H11)が44800元(セット価格)で売られています。日本円にすると本日のレートで20万8千円になります。レートの関係で多少の違いはあるでしょうが、日本でもやはり20万円前後はするのではないでしょうか。
ちなみに娘が小さい頃に使っていたバイオリン(1/2サイズ)もヘフナーの11番(KH11)。確か1980年ごろの作品で、西ドイツ製でした。
Orchestra Violin
オーケストラバイオリンがいわゆるスタンダードモデルになります。スクールバイオリンより1ランク上のバイオリンですが、こちらも2005年以降は北京の工場で作られています。
主な型番は
#62、#66、#68、#167、#184、#191など
台湾の代理店では68番(H68)セットが77800元で売られています。本日のレートだと日本円で約36万円。
娘が使っていた3/4サイズのバイオリンがこのランクの191番(KH191)です。1989年の作品で、ドイツ製。11番と比べると音も深く、かなり気に入っていました。
フルサイズに買い替える時もカールヘフナーを候補に入れていたのですが、68番(H68)を実際に弾いてみると、本人は音色に納得しない様子。好みが変わったのか、産地の違いからの違和感なのかはわかりませんが、同じ価格帯のバイオリンを産地と価格を伏せた状態で何本か試弾し、結局カーフヘフナーではないノーブランドの中国製の購入しました。
Concert Violin
コンサートバイオリン以上のモデル、型番でいうと200番以上のモデル(KH200、H200以上)は、今でも完全にドイツでの手工品になります。代理店でははっきりした値段を聞いていないのですが、200番以上のモデルは一番安いものでも10万元以上するとのことでした。
主な型番は
#200、#201、#203、#312、#316など
そして!
今回私が中古で購入したバイオリンもこのランクになります。型番は312番(KH312)。2003年の作品です。
新品だと初心者の私にはなかなか手が出せない価格ですが、中古なのでかなりお安く購入できました。
色々ネットで調べてみたのですが、同じく312番(KH312)の中古が15000香港ドルで売られていて、そちらは日本円に換算すると約28万円。やはり312番は新品だと40万円から50万円くらいするんじゃないかと思います。
Master Violin
マスターバイオリンと呼ばれるこのランクのバイオリンは、ヘフナーバイオリンの中でも最上級のものになります。
こちらはドイツのマイスターの資格を持った職人が1本1本手作業で製作したバイオリン。コンサートバイオリンも1本1本作られたものですが、「マイスター」の資格を持っている人が作ったかどうかがランクの違いだそうです。
主な型番は
#327、#330、#332、#339、#341など
こちらもはっきりとした価格はわからないのですが、316番の新品価格が日本で56万円だということ、中古の1960年製造330番(KH330)が10万元(日本円で約46万円)で販売されているという情報を見つけました。
もちろんバイオリンの状態なども価格に関係してくるので一概には言えませんが、341番などはもっと高くなるのでしょうね。
おまけ:1995年の価格リスト発見
海外のサイトで1995年の価格表(しかも日本円!)を見つけたので参考までにまとめておきます。もちろんこれは30年近く前の価格になりますので、今だとさらに10万円くらい高くなるかもしれません。
それから、私の知る限りでは、ヘフナーの型番と価格は比例するはずなのですが、ところどころ「あれ?」と思うところもあります。一応サイトの情報通り書いておきます。( )の価格は私の勝手な推測です。
また、これらは1995年より前に製作されたバイオリンなので、これらの型番は全てKH、ドイツで製作されたものになります。
#7(KH7) | 74,000円 |
#11(KH11) | 80,000円 |
#12(KH12) | 85,000円 |
#62(KH62) | 88,000円 |
#66(KH66) | 100,000円 |
#165(KH165) | 120,000円 |
#166(KH166) | 145,000円 |
#184(KH184) | 128,000円 (148,000円?) |
#200(KH200) | 157,000円 |
#202(KH202) | 180,000円 |
#204(KH204) | 285,000円 (185,000?) |
#206(KH206) | 200,000円 |
#290(KH290) | 290,000円 |
#312(KH312) | 355,000円 |
#316(KH316) | 430,000円 |
#318(KH318) | 348,000円 (448,000円?) |
#327(KH327) | 525,000円 |
#330(KH330) | 588,000円 |
#332(KH332) | 750,000円 |
#339(KH339) | 870,000円 |
#341(KH341) | 970,000円 |
最上級モデルであるKH341は当時の物価でも100万円近くしたんですね!!今だとどのくらいするんでしょうね〜。
今日の記事はここまで。次回は私が購入した312番のバイオリンと付属品を紹介したいと思います。
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