台湾には「颱風假」という臨時の休日があります。
これは、台風が台湾に上陸し、大きな被害を被るであろうと予測された時に政府によって出される公式の台風休みです。
市政府、あるいは縣政府が、風速、風力、雨量などをもとに台風休みにするかどうかを決定します。そして、台風休みが発表されると、その市(または縣)の全ての学校(塾や幼稚園なども含む)や会社がお休みとなります。
台風が多い台湾ならではの台風休みのシステムを今回の記事でご紹介します。
台風休みの発表は市政府、縣政府が決定
台風が近づくと、大人も子供たちもテレビに釘付けになります。それは、台風休みになるかどうかがテレビで発表されるからです。
台湾のニュースでは、下の画像のように、画面のあちらこちらに色々な情報が散りばめられています。慣れないうちは、画面がごちゃごちゃしているように感じるかもしれません。
これは東森新聞台がYouTubeで公開しているニュース画面です。台風休みの情報は見つかりましたか?
ごちゃごちゃしていて分かりづらいかもしれませんが、「最新情報」のところに「台南,高雄,屏東宣布:今晚6點起停班課」(台南、高雄、屏東:今晩6時以降はあらゆる授業を休みとする)というテロップが見えます。
そして右下には「高雄市:今晩停班課」(高雄市は6時以降休業休講)の文字も見えます。この場所のテロップは5秒おきくらいで次の都市の情報に切り替わり、休みでない都市は「正常上班上課」と表示されます。
台風休みの種類には「停班停課」「上班停課」「正常上班上課」があります。
それぞれ、「休業休講(会社も学校も休み)」「会社はあるが学校は休み」「会社も学校も正常通りで休みなし」の意味です。休講の場合は、学校だけでなく塾関係も全て休みにしなければなりません。台風の程度によっては、「高校生以下は休み」などとなる場合もあります。
台風休みの発表は、テレビだけではなく、フェイスブック、ツイッターなどのSNSでも発表されます。
私は高雄市政府の公式LINEをお友だち登録しているので、LINEで通知を受け取っています。
政府が休みを決定するメリットとデメリット
各政府が独自で休みを決定して発表するということは、学校や会社はその発表に従わなければいけません。
これは私はかなりのメリットだと思っています。
台風の日には、会社に行きたくない。でも「台風だから休みます」とは言えない。
日本に住んでいたら、そんなことがあるかもしれません。
でも台湾では政府が休みを決定してくれるので、正々堂々と会社を休むことができます。またその場合も、わざわざ会社に連絡を入れる必要もありません。(ただし職種によっては台風休みに左右されず営業します。)
学校や塾も、「停課」の発表があれば全てお休みになります。学校や塾に「明日は授業がありますか」と問い合わせる必要もありません。前の日までに休講かどうかの発表があるので、それに従います。
通常は前日の夜8時までに発表がありますが、台風の影響があるか微妙でなかなか決定が下せない場合でも、夜10時までには正式に発表があります。その場合、「〇〇市は夜10時に発表」というテロップが流れるので、その時間にテレビで再確認します。
台風休みを発表した都市で、当日台風の影響が全くなかったとしても、休みが返上になることはありません。
そしてこれはデメリットでもあります。
実は、先月も高雄市は台風休みが2日間あったのですが、その時はほとんど台風の影響を受けないまま、ただのお休みになってしまいました。仕事、学校がお休み(しかも2連休!)になった私たち家族は大喜びでしたが、そうでもない人もいたようです。
台風の影響を予測することは難しいので、政府としてもギリギリまで休みにするか迷ったと思います。少しでも被害が出る可能性があるなら、市民の安全のために思い切って台風休みにするという市長さんを私は支持しますが、批判する人も少なからずいます。
台風が来るたびに、各政府の皆さんは私たちのためにギリギリまで悩みます。例え予想が外れてしまったとしても政府を責めないであげてほしいと思います!
以上、台湾の台風事情でした。
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