高雄市中心部から車で約1時間。美濃というところにやってきました。
美濃は高雄市に属している区で、毎年11月中旬ごろには「大根掘りフェスティバル」や「ミニトマト狩り」などの農業イベントが開かれる、自然いっぱいの美しいところです。
また、客家系住民が多く暮らしており、客家族花柄の布、油紙傘の製作などの伝統工芸をずっと受け継いでいる土地でもあります。
こんな魅力たっぷりの美濃ですが、今回ご紹介するのは「水蓮菜の収穫体験」。
「水蓮菜」はどこの台湾式レストランでも食べることができると言っていいほどメジャーな野菜なのですが、その産地が実はここ美濃なんです。
水蓮菜の収穫体験
美濃で有名な小ぶりの白玉大根、そしてミニトマトなどの収穫体験にはほぼ毎年参加しているのですが、水蓮菜の収穫体験は私たちも初めてです。
収穫はもとより、どうやって栽培されているのかさえ全く知らなかった私たち。いったいどのような体験になるのでしょうか。

朝の9時50分ごろ、予約をしていた「李氏野蓮家」に到着。
朝10時の予約だったのですが、前の団体に遅刻者が出ているということで10分ほど遅れるとのこと。(台湾あるある)

中国語で「青蛙褲」と呼ばれる長靴つきの防水ズボンをはいてスタンバイ。
これから水蓮菜を洗う体験に向かいます。
実は水蓮菜を洗う前に、「収穫」の体験もできるはずでした。収穫は深いため池に入ることになるのですが、そのため天気や水位、その他の理由によって体験が中止になることもあるそうで、私たちは中止になりました(泣)
※収穫の中止は事前に連絡があるので、「行ったのに中止になった」ということはありません。私たちは「洗う」だけの体験に同意して予約しました。
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水蓮菜を洗う体験が終わったら、ここのオーナーの李さんが水蓮菜のため池に連れて行ってくれ、水蓮菜の収穫を見せてくださいました。
解説、洗い、水蓮持ち帰りで1人150元。日本円で約550円です。
https://www.facebook.com/LiWaterLotus/
台湾の水蓮菜
水蓮菜は台湾の「熱炒」と呼ばれるお店(炒め物をメインに扱うお店。野菜やお肉やお魚料理、スープ、アルコールなど何でも揃う台湾式の大衆居酒屋)では定番の食材です。
ニンニク、生姜と一緒に炒めて食べられることが多く、あっさりとした味とシャキシャキした食感でとても人気があります。
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台湾人に愛されている水蓮菜、実は9割以上の水蓮菜が美濃で栽培されています。
水蓮菜は美濃に広がるため池のようなところで栽培されているのですが、以前は美濃にある美濃湖にしか生息しない貴重なものでした。
美濃湖でしか育たないために生産量も少なく、また時代とともに美濃湖の水質環境を管理するのも難しくなってきたため、現在のように人工的に作られたため池で栽培されるようになりました。
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水蓮菜は水質がとても重要。美濃湖と同じ条件にするために、まずは魚を放ち水質を整えてから苗を植えます。そして少しずつ水を足していくのだそうです。
収穫は年に3回。夏場は2ヶ月半、冬場は3ヶ月で収穫できるようになります。収穫は水質を維持するため全て手作業です。底は泥で足場は不安定。腰まである池に入っての作業はとても大変です。夏は蒸れ、冬は寒さに耐えながらの作業。過酷な作業であるために、最近では人手不足にも悩まされているそうです。
さて、水蓮菜は全長3メートルほどにもなるそうですが、私たちが食べるのはその茎の部分。2019年からは日本にも輸出されるようになり、毎週約1トンの水蓮菜が空輸で日本に運ばれます。
日本では「台湾水蓮菜」または「ぐるはす」という名で売られているそうです。もしスーパーなどで見かけたら是非手にとってみてください!
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