日本でも台湾でも、ワンコと暮らすためには各種の予防接種が必要です。台湾で使われる漢字は日本語とかなり近いため、日本で漢字表記される「狂犬病」や「犬伝染性肝炎」(「伝」は繁体字では「傳」)は、発音こそ違いますが表記は同じです。
でも、日本でもカタカナ表記される「ジステンパー」、「コロナウイルス感染症」などの病名は、中国語と日本語の表記が異なるので、中国語がわからなければお手上げです。
今回は、私がビーグル犬モモの健康手帳を初めて手にした時に調べ上げた、ワクチンの種類と予防できる病名の中国語と日本語の一覧を公開したいと思います。
目次
犬の健康手帳から調べる
まず、台湾で犬を飼われている方は病院で健康手帳をもらっていると思います。病院によって手帳の表紙デザインは異なるかもしれませんが、中身はほぼ同じだと思います。
モモの場合は、アメリカの動物製薬会社「Zoetis」(ゾエティス)の健康手帳を病院からもらって使用しています。
どのメーカーの健康手帳でも、ページをめくっていくとワクチンの一覧表があると思います。今回はモモのゾエティスの手帳を参考にして、ワクチンの中国語と日本語を対応させています。
台湾での予防接種
犬の予防接種は、接種が法律で義務づけられている「狂犬病ワクチン」、接種すべきとされる「ライム病ワクチン」と5種から10種の「混合ワクチン」があり、モモは「狂犬病ワクチン」「ライム病ワクチン」「10種混合ワクチン」を毎年接種しています。
ゾエティスからは、5種、7種、8種、10種の混合ワクチンが出ていますが、モモは獣医さんの勧めにより10種を接種しています。
それぞれのワクチンがカバーする病名は、下の通りです。
ワクチンと病名の中国語、日本語一覧
「 」は中国語、( )は日本語です。
- 「狂犬病」(狂犬病)
- 「犬萊母病」(ライム病)
- 「犬瘟熱」(犬ジステンパー)
- 「犬出血性腸炎」(パルボウイルス)
- 「犬傳染性支気管炎」(アデノウイルス2型)
- 「犬傳染性肝炎」(犬伝染性肝炎)
- 「犬副流行感冒」(犬パラインフルエンザ)
- 「犬冠状病毒腸炎」(コロナウイルス感染症)
- 「犬鉤端螺旋體症」(レプトスピラ)
※ 「犬鉤端螺旋體症」(レプトスピラ)には、「犬型」(カニローラ)、「出血性黄疸」(イクテロヘモリジア)、「感冒傷寒性」(グリポティフォーサ)、「波莫那」(ポモナ)の4種のワクチンがあります。
ゾエティスの混合ワクチンで予防できる病名は以下の通り。
5種混合ワクチン
- 「犬瘟熱」(犬ジステンパー)
- 「犬出血性腸炎」(パルボウイルス)
- 「犬傳染性支気管炎」(アデノウイルス2型)
- 「犬傳染性肝炎」(犬伝染性肝炎)
- 「犬副流行感冒」(犬パラインフルエンザ)
※以下、7種、8種、および10種のワクチンは、これらの5種のワクチンに他のワクチンが追加されます。
7種混合ワクチン
- 「犬瘟熱」(犬ジステンパー)
- 「犬出血性腸炎」(パルボウイルス)
- 「犬傳染性支気管炎」(アデノウイルス2型)
- 「犬傳染性肝炎」(犬伝染性肝炎)
- 「犬副流行感冒」(犬パラインフルエンザ)
追加ワクチン
- 「犬鉤端螺旋體症」(レプトスピラ)2種 (カニローラ・イクテロへモリジア)
8種混合ワクチン
- 「犬瘟熱」(犬ジステンパー)
- 「犬出血性腸炎」(パルボウイルス)
- 「犬傳染性支気管炎」(アデノウイルス2型)
- 「犬傳染性肝炎」(犬伝染性肝炎)
- 「犬副流行感冒」(犬パラインフルエンザ)
追加ワクチン
- 「犬冠状病毒腸炎」(コロナウイルス感染症)
- 「犬鉤端螺旋體症」(レプトスピラ)2種 (カニローラ・イクテロへモリジア)
10種混合ワクチン
- 「犬瘟熱」(犬ジステンパー)
- 「犬出血性腸炎」(パルボウイルス)
- 「犬傳染性支気管炎」(アデノウイルス2型)
- 「犬傳染性肝炎」(犬伝染性肝炎)
- 「犬副流行感冒」(犬パラインフルエンザ)
追加ワクチン
- 「犬冠状病毒腸炎」(コロナウイルス感染症)
- 「犬鉤端螺旋體症」(レプトスピラ)4種 (カニローラ・イクテロへモリジア・グリポティフォーサ・ポモナ)
上記の混合ワクチンは、全てゾエティス社のワクチン表に基づいて記載しています。他社のワクチンとは相違があるかもしれないことをご了承ください。
狂犬病
狂犬病は、台湾でも法律によって義務付けられたワクチンです。
登録してある住所宛に、狂犬病ワクチンの接種の案内が政府から毎年送られてきます。期限までに予防接種を行わないと罰金を支払わなければいけませんので注意してください。
犬の健康手帳にも、獣医さんが接種予定日を記載してくれていると思いますので、忘れずに予防接種を受けさせてくださいね。
狂犬病の予防接種が終了すると、政府発行の証明書がもらえます。高雄市はこんな感じです。
台湾の狂犬病
台湾は長らく狂犬病清浄国でしたが、死亡している野生のイタチアナグマを検査した結果、狂犬病であることが確認されました。それにより、2013年7月17日から、台湾は狂犬病の非清浄国として取り扱われるようになりました。
その日から、台湾から犬などを輸入(ペットを連れて日本に帰国)する場合は、狂犬病の予防接種や血液検査(血液をアメリカなどに郵送して証明をもらう)、書類の翻訳など、大変な手続きが必要になりました。
最近では、2017年に、部屋に入り込んだ野生のイタチアナグマに水を与えようとした台湾東部の女性の目に、誤ってイタチアナグマの唾液が入ってしまい、次の日に病院にて犬病ワクチンの接種を受けたという報告があります。それが台湾初の人への犬病ワクチン接種となりました。
今のところ、狂犬病に感染した動物から噛まれた人は台湾全国で10人ほど確認されましたが、狂犬病に感染した人、感染した犬は確認されていないということです。狂犬病は死亡率100%の恐ろしい病気です。大事な愛犬を守るためにも、狂犬病ワクチンは毎年必ず打ってもらいたいと思います。
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