台湾では4月4日が婦幼節(以前の兒童節)、4月5日が清明節となっていて、毎年この時期は連休になります。今年2018年はちょうどこの二日間が水・木曜日となり、政府の規定で本来なら休日ではない4月6日金曜日が休みになり、土、日と合わせて5連休になりました。
目次
清明節には
台湾の連休システム
冒頭でも触れましたが、2018年の清明節は5連休。台湾では祝日が火曜日または木曜日に来た場合、土日に挟まれた、本来は休日でない月曜日または金曜日がお休みになり、連休になるという素晴らしいシステムがあります。残念ながら無条件でお休みになるわけではなく、代わりに連休の前の週の土曜日に出勤、登校しなければなりません。つまり土曜日の休みを1日なくすことで、連休に挟まれた平日を振替休日としているのです。
例えば2018年でいえば、今回お休みになった4月6日金曜日の授業や仕事は3月31日土曜日に振り返られました。この日は金曜日の代わりとなるので、土曜日といえど金曜日のルーティーンをこなします。学校でいえば金曜日の時間割で、放課後の習い事なども金曜日のスケジュールとなります。
ちなみに来年の2019年の4月4日婦幼節は木曜日、そして次の日の4月5日清明節は金曜日ですので、土日と合わせて4連休です。
清明節にやること
清明節の前日も婦幼節でお休みなのですが、この日には特に決まって何をするということもなく、ただテーマパークや動物園の入場料が子供はタダになったり、デパートやショッピングモール等で子供のための催し物があったりという程度です。
清明節の方はというと、こちらは台湾人にとってとても大切な日。この日には家族でご先祖様が眠っているお寺や墓地にお参りに出向き、紙金(黄色い紙で作られたあの世のお金)、果物、お菓子などをお供えします。毎年4月5日はお寺が混雑するので、あえて日をずらしてお参りする方もいます。特に今年は5連休。せっかくの大型連休なのでお参りは早めに済ませ、旅行に出かけた方も多かったようです。
上の写真はお寺に設置されたお供え用のテーブル。空きスペースを探して持参したお供え物を置き、線香を持ってお参りに行きます。台湾の線香は30cmほどもある長いものなのですが、その線香が半分くらいの長さになるまで待ち、お寺に設置してある金炉(金紙を燃やすための焼却炉)で神様のための金紙を燃やして終了です。テーブルの上にお供えしていた果物などは持って帰ります。うちに帰ったらご先祖様のために金紙を燃やします。これで清明節の儀式はおしまいです。(※地域によって多少異なる場合があります。)
清明節に食べるもの
さて、清明節の儀式は終了しましたが、この日に毎年食べられるものがあります。それは春巻き。中国語では「春捲」と言います。日本でよく食べられる油で揚げた春巻きとは違って、台湾で食べられるのは揚げていない春巻き。ベトナムで食べられるような生春巻きともちょっと違うのですが、台湾の春巻きは小麦粉と水で作られた生地を鉄板に乗せて薄く焼いた皮に、好きな具材を入れて巻いて食べるというもの。
上の写真は、義母が毎年購入している近所のローカルな春巻きの皮屋さん。クレープのように液体を流して丸く伸ばすのではなく、パンの生地のような物を鉄板に押し付けて作っていました。このお店は昼間は大変混雑するので人の少ない夜の10時ごろ伺ったのですが、職人さんは「今日中にあと100斤(台湾の1斤は約600g)作らないといけない」と少し焦り気味におっしゃっていました。ちなみにこの春巻きの皮、600gで150元。
私は毎年ダンナさんの実家で春巻きをいただいているのですが、春巻きの具は毎年こんな感じです。もやし、キャベツ、セロリなどの野菜、卵焼き、豚肉、鶏肉、台湾ソーセージ、そしてカラスミ。これらの具の中から自分の好きな具を選んで春巻きを作ります。
写真の右上に写っているのは、きな粉と砂糖。台湾の方は甘い春巻きが好きみたいで、結構多めに入れているのをよく見ます。写真には写っていませんが、ピーナッツパウダーもありました。私は甘い春巻きはちょっと想像つかないので、これらの粉は入れずに作っています。
清明節に春巻きを食べるようになった由来は、昔は清明節には火を使ってはいけなかったとか、この日には冷たいご飯を食べる習慣があったとか色々な説があるようですが、由来はともかく今でもこの日に春巻きが食べ続けられているのは、お墓まいりに持っていくのに便利だからという理由が大きいようです。実際にお寺のお供え物も、果物と春巻きを持ってきている方が多く見られました。
台湾の春巻きは大きい
台湾と日本の春巻きは大きさにも違いが見られます。義母が作る春巻きはこんな感じです。
大きさを比較するためにダンナのスマホを隣に置いて見たのですが、そのスマホよりも一回り大きいです。このサイズなら春巻き1本でお腹いっぱいになりそうです。このくらいのサイズの春巻きを作るには薄い皮1枚では足りないので、皮を2枚ほどずらして重ねて使用します。外で売られている春巻きもこれくらいのサイズのものが多く、やはり皮は2枚使われているようです。もちろん自分で包むときはこんなに太くする必要はないので、あくまでお好みで(笑)。
終わりに
今日は台湾の清明節をご紹介しました。台湾には今も残る伝統的な行事がまだまだたくさんあります。清明節の連休を利用して台湾に遊びに来られる方は、ぜひこの機会に清明節の雰囲気を味わってみてください。
最後になりますが、台湾では清明節などの4連休もお店はオープンしていることが多いです。その代わり、連休の前や後に臨時休業するお店も多くあります。逆に連休に休業するために定休日を臨時でオープンしている場合もあります。台湾の大型連休前には一応お店に開いているかどうか確認を取った方がいいと思います。
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